520 「伊勢参」の季語と子季語


日本には四季を感じさせる美しい言葉があります。俳句の世界では「季語」という名前で親しまれています。

ここでは、季語の一つ「伊勢参」と、「伊勢参」に関連する語(子季語)を紹介します。

歳時記にも子季語は紹介されてはいるのですが、言葉の意味までは書かれていないことがあります。

それぞれの言葉の微妙な違いを知ることで、句作の表現の幅が広がるはずです。

 

 ─ 春 ─

 

伊勢参【いせまいり】

伊勢神宮に参拝すること。また、その人

伊勢参宮(いせさんぐう)

伊勢神宮に参拝すること

伊勢詣(いせまいり)

伊勢神宮をお詣りすること

伊勢講(いせこう)

伊勢参宮を目的とした講のこと

参宮講(さんぐうこう)

伊勢講と同じ

抜参(ぬけまいり)

親や主人、村役人などに無断で家を抜け出し、伊勢神宮に参拝すること

御蔭参(おかげまいり)

伊勢信仰が広まり、間欠的におこった大群衆の伊勢参り。お蔭(恩恵)のいただけるありがたい年、ということから

お蔭参(おかげまいり)

御陰年に行なわれる伊勢参宮

 


511 3音の季語は、ここに置くと作りやすい

 季語はそれぞれの音数ごとに、置きやすい場所がある

その場所をあらかじめ知っておくと、俳句を作る過程がずいぶん楽になる

 

 

3音の季語を使う場合は

    3音の季語を、5音の名詞にして、上五・下五に置く

② 「けり」「かな」などの切字を付けて、下五に置く

と作りやすい

 

 

 

具体的にはこんな感じ

 

① 3音の季語を、5音の名詞にして、上五・下五に置く

 

3音の季語(青田)を、5音の名詞に変えた例句

 

畦の影 たしかなりけり 大青田

土間ぬけて 遠山へ去る 青田

 

 

 

例句は、両方とも季語を下五に置かれている

下五に置くと、「名詞止め」といって、句に重厚感が増す

○○○○○ / ○○○○○○○ / 青田風 (名詞止め)

 

もちろん上五に置いても良い

上五に置くと、句はすっきりする

青田風 / ○○○○○○○ /  ○○○○○

 

 

 

3音より5音を作ってからの方が、詠みやすくなる理由はいくつかある

「青田」しか決まっていない状態で句を詠もうとすると、内容が絞れずに、何を詠んでいいのか分からくなるが

「青田」よりも焦点の狭まった「青田風」「青田道」「青田波」となっていれば、詠む内容も絞られて、自ずと作りやすくなる

× 青田○○ / ○○○○○○○ /  ○○○○○

   青田風 / ○○○○○○○ /  ○○○○○

 

 

 

「青田」から作ろうとすると、残り14音の穴埋めをしながら、さらに五七五のリズムを考えなければいけない

青田○○  ○○○○○○○  ○○○○○

      ↑         ↑

  この2カ所のリズムも考えなくてはいけない

 

 

もし「青田風」と言うように、5音が決まっていれば、穴埋めは12音ですむし、リズムも1カ所を意識すればいいだけとなる

青田風 / ○○○○○○○  ○○○○○

               ↑

  上五は決まってしまったので、後ろのリズムを考えるだけですむ

 

 

そのような理由もあり、作りやすくなる

 

 

 

 

 

 

 

 

② 「けり」「かな」などの切字を付けて、下五に置く

 

「3音の季語」+「けり・かな」は、俳句で頻繁に使われるテクニック

 

例句にはこのようなものがある

 

竹藪に はさまれている 青田かな

ふかざけの くせまたつきし かな

欲得も 顔の間も 凍りけり

 

 

 

 

 

上五から中七の12音を一気に詠んで、最後に「3音の季語+かな・けり」で終わると、それだけで俳句らしさが高まる作品になる

○○○○○ / ○○○○○○○ / 青田かな 

○○○○○ / ○○○○○○○ / 凍りけり 

 

 

こちらも、これで5音が決まったので、残りの12音を埋めるだけで良くなった

 

 

リズムも、1カ所を意識するだけでいい

 

○○○○○  ○○○○○○○ / 青田かな 

      ↑

  ここのリズムを意識するだけですむ

 

 

初心者は、俳句を作る時に、作り方が分からないから、いきなり完成形を目指してしまう

しかし、句を完成させるためには、「季語を置く場所」「五七五のリズム」「十七音の文字数」「詠む内容」など色々なことを考えなくてはいけない

それらを全て考えながら、いきなり完成形を作ることは、難しいと思った方がいい

俳句経験者だってそんなのは大変だ

 

 

経験者の場合は

無意識の中で、今説明したことをやってしまっているのだ

3音の季語を使う場合は

5音の名詞にして、上五・下五に置いたり

「けり」「かな」をつけて、下五に置いてしまっているのだ

 

 

それによって、もう

「季語を置く場所」は考えなくていいし

「五七五のリズム」を意識する場所は、2カ所から1カ所に減る

「17音の文」ではなく、「12音の文」を考えるだけでよい

だから、作りやすいのだ

 

 

 

3音の季語を使う場合は

    3音の季語を、5音の名詞にして、上五・下五に置く

② 「けり」「かな」などの切字を付けて、下五に置く

そうするだけで、俳句は圧倒的に作りやすいのだ

 

 

 

3音の季語の一覧を載せたので、その季語で俳句を作ってみよう

 

 ↓クリックすると表示されます         

3音

石蓴(あおさ)、朝寝(あさね)、浅蜊(あさり)、薊(あざみ)、五加木(うこぎ)、雨水(うすい)、梅見(うめみ)、朧(おぼろ)、蚕(かいこ)、蛙(かえる)、搗布(かじめ)、霞(かすみ)、細螺(きさご)、紫雲英(げんげ)、黄砂(こうさ)、蚕飼(こがい)、穀雨(こくう)、木の芽(このめ)、辛夷(こぶし)、桜(さくら)、栄螺(さざえ)、挿木(さしき)、さより(さより)、鰆(さわら)、残花(ざんか)、四月(しがつ)、蜆(しじみ)、酸葉(すいば)、杉菜(すぎな)、巣箱(すばこ)、菫(すみれ)、田打(たうち)、田螺(たにし)、遅日(ちじつ)、接木(つぎき)、土筆(つくし)、躑躅(つつじ)、椿(つばき)、茅花(つばな)、燕(つばめ)、雪崩(なだれ)、菜飯(なめし)、二月(にがつ)、鰊(にしん)、根分(ねわけ)、長閑(のどか)、野蒜(のびる)、野焼く(のやく)、はこべ(はこべ)、斑雪(はだれ)、花見(はなみ)、春田(はるた)、彼岸(ひがん)、鹿尾菜(ひじき)、干鱈(ひだら)、ひとで(ひとで)、日永(ひなが)、雲雀(ひばり)、遍路(へんろ)、水菜(みずな)、目刺(めざし)、海雲(もずく)、諸子(もろこ)、焼野(やけの)、柳(やなぎ)、弥生(やよい)、雪間(ゆきま)、余寒(よかん)、嫁菜(よめな)、蓬(よもぎ)、落花(らっか)、若布(わかめ)、嫩芽(わかめ)、山葵(わさび)、蕨(わらび)、甘茶(あまちゃ)、虚子忌(きょしき)、修二会(しゅにえ)、松露(しょうろ)、受験(じゅけん)、製茶(せいちゃ)、遅春(ちしゅん)、茶摘(ちゃつみ)、春社(しゅんしゃ)、柳絮(りゅうじょ)

3音

葵(あおい)、青田(あおた)、青野(あおの)、青葉(あおば)、藜(あかざ)、汗疹(あせも)、暑し(あつし)、穴子(あなご)、網戸(あみど)、飴湯(あめゆ)、あやめ(あやめ)、洗膾(あらひ)、荒布(あらめ)、袷(あわせ)、鮑(あわび)、安居(あんご)、杏(あんず)、藺刈(いかり)、泉(いずみ)、苺(いちご)、ゐもり(いもり)、岩魚(いわな)、植田(うえだ)、鵜飼(うかい)、浮巣(うきす)、団扇(うちわ)、卯月(うづき)、鰻(うなぎ)、卯波(うなみ)、扇(おうぎ)、オクラ(おくら)、泳ぎ(およぎ)、河鹿(かじか)、鰹(かつお)、岩菲(がんぴ)、胡瓜(きうり)、帰省(きせい)、水鶏(くいな)、草矢(くさや)、海月(くらげ)、競渡(けいと)、毛虫(けむし)、夏書(げがき)、五月(ごがつ)、皐月(さつき)、さつき(さつき)、早苗(さなえ)、茂り(しげり)、清水(しみず)、紫蘭(しらん)、西瓜(すいか)、すぐり(すぐり)、涼し(すずし)、納涼(すずみ)、李(すもも)、盛夏(せいか)、田植(たうえ)、端午(たんご)、ダリア(だりあ)、粽(ちまき)、出水(でみず)、蜥蜴(とかげ)、登山(とざん)、とべら(とべら)、トマト(とまと)、蜻蛉(とんぼ)、土用(どよう)、夏蚕(なつご)、夏野(なつの)、夏炉(なつろ)、鯰(なまず)、西日(にしび)、寝冷え(ねびえ)、幟(のぼり)、羽蟻(はあり)、白夜(はくや)、端居(はしい)、蓮見(はすみ)、裸(はだか)、跣足(はだし)、花火(はなび)、バナナ(ばなな)、晩夏(ばんか)、パセリ(ぱせり)、日傘(ひがさ)、日雀(ひがら)、緋鯉(ひごい)、旱(ひでり)、単衣(ひとえ)、日焼(ひやけ)、日除(ひよけ)、昼寝(ひるね)、ビール(びーる)、噴井(ふきい)、太藺(ふとい)、海蘿(ふのり)、プール(ぷーる)、穂肥(ほごえ)、蛍(ほたる)、穂絮(ほわた)、牡丹(ぼたん)、ボート(ぼーと)、真菰(まこも)、祭(まつり)、蝮(まむし)、緑(みどり)、南風(みなみ)、蚯蚓(みみず)、百足(むかで)、葎(むぐら)、眼白(めじろ)、目高(めだか)、メロン(めろん)、藻刈(もかり)、やませ(やませ)、山女(やまめ)、守宮(やもり)、浴衣(ゆかた)、葭簀(よしず)、葭戸(よしど)、夜鷹(よたか)、夜焚(よたき)、ヨット(よっと)、夜釣(よづり)、夜振(よぶり)、夜店(よみせ)、ラムネ(らむね)、立夏(りっか)、露台(ろだい)、若葉(わかば)、梅酒(うめしゅ)、キャベツ(きゃべつ)、キャンプ(きゃんぷ)、金魚(きんぎょ)、極暑(ごくしょ)、白菖(しょうぶ)、新樹(しんじゅ)、新茶(しんちゃ)、上布(じょうふ)、大暑(たいしょ)、泥鰌(どじょう)、薄暑(はくしょ)、氷菓(ひょうか)、風炉茶(ふろちゃ)、芒種(ぼうしゅ)、麦茶(むぎちゃ)、緑夜(りょくや)、溽暑(じょくしょ)

3音

秋蚕(あきご)、通草(あけび)、小豆(あずき)、竃馬(いとど)、蝗(いなご)、佞武多(いぶた)、佞(いぶた)、鰯(いわし)、雨月(うげつ)、鶉(うづら)、浮塵子(うんか)、苧殻(おがら)、晩稲(おくて)、落穂(おちぼ)、囮(おとり)、踊(おどり)、案山子(かがし)、懸巣(かけす)、鰍(かじか)、門火(かどび)、鹿火屋(かびや)、刈田(かりた)、カンナ(かんな)、寒露(かんろ)、砧(きぬた)、茸(きのこ)、九月(くがつ)、胡桃(くるみ)、柑子(こうじ)、木の実(このみ)、ささげ(ささげ)、秋刀魚(さんま)、石榴(ざくろ)、紫苑(しおん)、子規忌(しきき)、占地(しめじ)、芒(すすき)、鱸(すずき)、酸橘(すだち)、相撲(すもう)、芋茎(ずいき)、施餓鬼(せがき)、添水(そうづ)、大豆(だいず)、月見(つきみ)、鶫(つぐみ)、照葉(てりは)、冬瓜(とうが)、中稲(なかて)、鳴子(なるこ)、根釣(ねづり)、佞武多(ねぶた)、野菊(のぎく)、野分(のわき)、白露(はくろ)、葉月(はづき)、花野(はなの)、柞(ははそ)、螇蚚(ばった)、鶲(ひたき)、穭(ひつじ)、瓢(ふくべ)、芙蓉(ふよう)、普羅忌(ふらき)、葡萄(ぶどう)、糸瓜(へちま)、零余子(むかご)、木槿(むくげ)、無月(むげつ)、紅葉(もみじ)、夜学(やがく)、柚味噌(ゆみそ)、夜寒(よさむ)、夜長(よなが)、夜なべ(よなべ)、林檎(りんご)、檸檬(れもん)、南瓜(かぼちゃ)、桔梗(ききょう)、残暑(ざんしょ)、秋気(しゅうき)、秋思(しゅうし)、生姜(しょうが)、新酒(しんしゅ)、熟柿(じゅくし)、芭蕉(ばしょう)、夜食(やしょく)、良夜(りょうや)

3音

網代(あじろ)、厚司(あつし)、霰(あられ)、行火(あんか)、藺植う(いうう)、魦(いさぎ)、鼬(いたち)、亥の子(いのこ)、囲炉裏(いろり)、兎(うさぎ)、落葉(おちば)、おでん(おでん)、懐炉(かいろ)、神楽(かぐら)、蕪(かぶら)、紙子(かみこ)、枯木(かれき)、枯野(かれの)、枯葉(かれは)、寒波(かんぱ)、雁木(がんぎ)、狐(きつね)、嚔(くさめ)、鯨(くじら)、葛湯(くずゆ)、毛皮(けがわ)、氷(こおり)、凍る(こおる)、炬燵(こたつ)、木の葉(このは)、小春(こはる)、氷下魚(こまい)、寒し(さむし)、朱欒(ざぼん)、時雨(しぐれ)、霜夜(しもよ)、師走(しわす)、スキー(すきー)、酢茎(すぐき)、頭巾(ずきん)、焚火(たきび)、竹瓮(たっぺ)、炭団(たどん)、狸(たぬき)、千鳥(ちどり)、追儺(ついな)、氷柱(つらら)、冬至(とうじ)、褞袍(どてら)、海鼠(なまこ)、避寒(ひかん)、火鉢(ひばち)、衾(ふすま)、襖(ふすま)、蒲団(ふとん)、吹雪(ふぶき)、冬木(ふゆき)、冬田(ふゆた)、冬菜(ふゆな)、冬野(ふゆの)、捕鯨(ほげい)、鮪(まぐろ)、マスク(ますく)、マント(まんと)、蜜柑(みかん)、瑞穂(みずほ)、霙(みぞれ)、目貼(めばり)、毛布(もうふ)、ヤッケ(やっけ)、雪見(ゆきみ)、雪眼(ゆきめ)、湯ざめ(ゆざめ)、柚子湯(ゆずゆ)、柳葉魚(ししゃも)、障子(しょうじ)、ショール(しょーる)、ジャケツ(じゃけつ)、十夜(じゅうや)、氷湖(ひょうこ)、屏風(びょうぶ)、霧氷(むひょう)、樹氷(じゅひょう)

新年

3音

五日(いつか)、会陽(えよう)、飾(かざり)、歌留多(かるた)、今年(ことし)、雑煮(ぞうに)、手毬(てまり)、出初(でぞめ)、年木(としぎ)、薺(なづな)、七日(なぬか)、年賀(ねんが)、初卯(はつう)、初荷(はつに)、初日(はつひ)、初湯(はつゆ)、春着(はるぎ)、二日(ふつか)、三日(みっか)、睦月(むつき)、四日(よっか)、若菜(わかな)、御行(おぎょう)、賀状(がじょう)、御慶(ぎょけい)、淑気(しゅくき)、朝賀(ちょうが)、年酒(ねんしゅ)、礼者(れいじゃ)









519 「甘茶」の季語と子季語

 

日本には四季を感じさせる美しい言葉があります。俳句の世界では「季語」という名前で親しまれています。

ここでは、季語の一つ「甘茶」と、「甘茶」に関連する語(子季語)を紹介します。

歳時記にも子季語は紹介されてはいるのですが、言葉の意味までは書かれていないことがあります。

それぞれの言葉の微妙な違いを知ることで、句作の表現の幅が広がるはずです。

 

 ─ 春 ─


甘茶

あまちゃ

灌仏会

仏の産湯

ほとけのうぶゆ

花祭りのとき、花御堂のなかにまつられた釈迦誕生像に、注ぎかける湯

五香水

ごこうすい

 灌仏会

甘茶仏

あまちゃぶつ

四月八日の花祭りに甘茶をそそがれる仏

甘茶寺

あまちゃでら

京都最古の禅寺、臨済宗大本山建仁寺

灌仏

かんぶつ

釈迦の誕生を祝う仏教行事

灌仏会

かんぶつえ

釈迦の誕生を祝う仏教行事

浴仏会

よくぶつえ

灌仏・灌仏会のこと

浴仏

よくぶつ

灌仏・灌仏会のこと

五色の水

ごしきのみず

青・黄・赤・白・黒の5種の色をした水。灌仏会に仏の頭上にそそぎかける

五色水

ごしきみず

青・黄・赤・白・黒の5種の色をした水。灌仏会に仏の頭上にそそぎかける


510 2音の季語は、ここに置くと作りやすい

 

季語はそれぞれの音数ごとに、置きやすい場所がある

その場所をあらかじめ知っておくと、俳句を作る過程がずいぶん楽になる

 

 

2音の季語を使う場合は

上五・下五の中で使うと、俳句は作りやすい

 

 

↓上五

牡蠣(かき)〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

 

                  ↓下五

〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 牡蠣(かき)〇〇〇〇

 

 

2音の季語の句を調べてみると分かるが、だいたい上五・下五に季語が入っている

 

例句

 

牡蠣筏」 少年はかもめ 射るしぐさ

牡蠣殻を」 重ねて人を 好きになる

 

パン種の 生きてふくらむ 「夜の

一枚の 橋をわたるや 「の海」

 

 

さらにポイントを言うと

上五・下五に季語を入れるときに、季語入りの5音の文章にすると良い

牡蠣筏」「牡蠣殻を」「夜の」「の海」の所が、それ

 

5音を作ってから、それに合った12音を後から作ると、作りやすいのだ

 

 

例えば

 

牡蠣 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

牡蠣筏」という5音を作ってしまったら、その後に

牡蠣筏が、(どうたの?何かあったの)という所を、12音で考えればいい

 

 

牡蠣殻を / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

牡蠣殻を」という5音を作ったら、その後に

牡蠣殻を、(どうしたの?何したの?)という所を、12音で考えればいい

 

 

 

 

 

2音の季語を先頭や語尾に持ってきて、残り15音の穴埋めをしてもいいが

相当、大変な作業になる

 

牡蠣○○○ / ○○○○○○○ / ○○○○○

○○○○○ / ○○○○○○○ / ○○○牡蠣

 

なぜ大変か?

 

 

 

①「牡蠣(かき)」しか決まっていないと、書く内容が絞れずに、何を書いていいのか分からなくなるから

「牡蠣」だけでなく「牡蠣殻を」となっていれば、それだけで焦点が狭まるので、書く内容もおのずと見えてくる

 

 

「牡蠣(かき)」しか決まっていないと、残りの15音の穴埋めをしながら、さらに五七五のリズムを考えなければいけない

牡蠣○○○  ○○○○○○○  ○○○○○

      ↑         ↑

  この2カ所のリズムも考えなくてはいけない

 

 

もし「牡蠣殻を」と、5音が決まっていれば、穴埋めは12音ですむし、リズムも一か所を意識すればいいだけとなる

牡蠣殻を / ○○○○○○○  ○○○○○

               ↑

  上五は決まってしまったので、後ろのリズムを考えるだけですむ

 

 

 

 

初心者は、俳句を作る時に、いきなり完成形を目指してしまう

しかし、句を完成させるためには、「季語を置く場所」「五七五のリズム」「十七音の文字数」「詠む内容」など色々なことを考えなくてはいけない

それらを全て考えながら、いきなり完成形を作ることは、俳句経験者だって難しい

 

 

経験者の場合は

無意識の中で、今説明したことをやってしまっているのだ

2音の季語を使う場合は、季語入りの5文字の文章を作って、上五か下五に置いてしまっているのだ

 

それによって、もう

「季語を置く場所」は考えなくていいし

「五七五のリズム」を意識する場所は、2カ所から1カ所に減る

「16音の文」ではなく、「12音の文」を考えるだけでよい

 

だから、作りやすくなるのだ

 

 

 

 

2音の季語を使う場合は

季語を入れた5音を最初に作る

それから、残りの12音を作った方が、圧倒的に作りやすいのだ

 

 

 

2音の季語の一覧を載せたので、その季語で俳句を作ってみよう





 

 ↓クリックすると表示されます         

2音

海髪(うご)、鷽(うそ)、独活(うど)、海胆(うに)、梅(うめ)、蝌蚪(かと)、雉(きじ)、桑(くわ)、東風(こち)、芹(せり)、凧(たこ)、萵苣(ちさ)、蜷(にな)、韮(にら)、海苔(のり)、蜂(はち)、花(はな)、春(はる)、藤(ふじ)、鱒(ます)、御忌(ぎょき)、蝶(ちょう)

2音

麻(あさ)、鯵(あじ)、汗(あせ)、鮎(あゆ)、蟻(あり)、瓜(うり)、蟹(かに)、黴(かび)、蚊帳(かや)、喜雨(きう)、鱚(きす)、蜘蛛(くも)、螻蛄(けら)、夏至(げし)、鯖(さば)、紫蘇(しそ)、紙魚(しみ)、海霧(じり)、鮓(すし)、蟬(せみ)、セル(せる)、滝(たき)、蛸(たこ)、蓼(たで)、梅雨(つゆ)、茄子(なす)、夏(なつ)、虹(にじ)、蚤(のみ)、蠅(はえ)、鱧(はも)、薔薇(ばら)、鷭(ばん)、蛭(ひる)、枇杷(びわ)、蕗(ふき)、蚋(ぶよ)、蛇(へび)、べら(べら)、繭(まゆ)、麦(むぎ)、灼く(やく)、灼け(やけ)、簗(やな)、川床(ゆか)、百合(ゆり)、余花(よか)、蘭(らん)、蝦蛄(しゃこ)、初夏(しょか)、避暑(ひしょ)、雹(ひょう)

2音

秋(あき)、粟(あわ)、稲(いね)、芋(いも)、荻(おぎ)、柿(かき)、萱(かや)、雁(かり)、菊(きく)、黍(きび)、霧(きり)、葛(くず)、栗(くり)、茱萸(ぐみ)、解夏(げげ)、胡麻(ごま)、鮭(さけ)、鹿(しか)、鴫(しぎ)、月(つき)、蔦(つた)、露(つゆ)、梨(なし)、萩(はぎ)、稲架(はざ)、鯊(はぜ)、稗(ひえ)、鶸(ひわ)、五倍子(ふし)、五倍子(ふし)、鰡(ぼら)、虫(むし)、郁子(むべ)、鵙(もず)、籾(もみ)、柚子(ゆず)、早稲(わせ)、棉(わた)、古酒(こしゅ)、処暑(しょしょ)

2音

牡蠣(かき)、火事(かじ)、風邪(かぜ)、鴨(かも)、狩(かり)、寒(かん)、熊(くま)、鮫(さめ)、冴ゆ(さゆ)、霜(しも)、炭(すみ)、咳(せき)、橇(そり)、鷹(たか)、足袋(たび)、鱈(たら)、鶴(つる)、葱(ねぎ)、胼(ひび)、河豚(ふぐ)、冬(ふゆ)、鰤(ぶり)、榾(ほだ)、餅(もち)、雪(ゆき)、夜着(よぎ)、鷲(わし)、除夜(じょや)

新年

2音

去年(こぞ)、独楽(こま)、歯朶(しだ)、屠蘇(とそ)