個性的な作品を作るために

 
 
個性的な作品を作りたいと言う人は多いのですが
個性的な作品は自分の好きな所ひたすら突き詰めて行けば、自然と出来上がるものです
単純ではありますが、動物が好きなら動物句を、植物が好きなら植物句を、生活が好きなら生活句をどんどんと突き詰めれることにつきます

 
個性的な作品を作りたいが故に、人が詠まないようなものを選んで詠んだり、わざと奇抜な表現で作品を作ってみても、結局は目も当てられない作品が生まれるだけですので、やめたほうがいいでしょう
 

個性というのは、その人特有の性質や性格のことです
性質や性格を形作るものは様々で
記憶力、空間認知能力、色彩感覚、音感、言語能力、論理的思考、運動能力、対人関係、対自分関係など
そういった様々な感覚や能力、思考などが混じり合って一人の人間の性格を形作っています

 
これらは一人として同じ人はいません
一人ひとりがそれぞれ皆、それぞれの個性を持っているのです
ずば抜けて運動能力が優れていることも個性ですし、全てがバランスの取れていることも個性です

 
だからあなたはすでに、誰とも同じではない個性を持った人間であることを自覚することが大切です
自分の個性を無視して、全く興味もないような事柄を詠んだり、奇をてらった表現をしてみても、それは個性的でも何でもなくて、振り返った時に、胸がチクチクするような目も当てられない作品になっているだけです

 
ですから無理に自分には合わないような作品作りをするよりも、あなたの個性の中で一番輝いているもの、つまりあなたが好きなものや得意なものを、とことん突き詰めた方が絶対にいい作品が生まれます
結果的に、あなたの個性はより磨かれ、輝いて、自ずとあなたにしか作ることができない(ほかの人からみれば個性的な)作品が生まれるはずです
 
 
個性的な作品を作りたい、と願う人はとても多いのですが
「個性的な作品」というものは実体のないものです
探し歩いてみた所で、そのようなものが見つかることはないでしょう
個性的な作品は、自分を客観的に見つめて、自分だけの性質や性格を磨く、その中で輝いていくものだからです