291 出来事ではなく、具体的なことを詠みましょう




俳句では、出来事だけを詠んで終わっている句が往々にしてあり
その多くは失敗の句となっています

出来事だけを詠むというのは、こういうことです
例えば菫を詠むときに
菫がそこに咲いているという
ただ、その出来事だけを詠んでいるということです

これでは単なる報告に過ぎず
「詩」として成り立っていないことは
誰にでも分かります

それでも初心者のうちは、どのように詠んでよいのか分からず
このような句を量産してしまいます

このような出来事句、報告句を詠んでしまった場合
次の点を意識して直すと良いかもしれません


具体的に、どこに咲いているのかを詠む
この時に、ただ「公園に咲いている」「道端に咲いている」
といっても、やはり報告でしかなくなるので
もう一歩踏み込んで、その場所はどのような場所なのかを
新しい表現で書きます


菫が咲いている
  
公園に菫が咲いている(これでも報告なので、公園を新しい表現で書く)
  
風集う園に菫の咲きにけり


具体的に、どのように咲いていたのかを詠む
いつもの菫と違う、何に感動したのか
その感動した部分を書きます

菫が咲いている
  
今朝の雨はらわず菫咲にけり




「具体的」に詠む
一つのポイントになりますので、作るときに常に意識しましょう