112 参考になる俳句を教えて


巷にある玉石混淆の俳句の中で、どれが良い俳句で、一体、どの俳句を私たちは参考にすればいいのでしょうか
俳句の初心者であれば、このような悩みは大きいと思います
この悩みについて、私なりの答えがありますので、読んでみて参考になりそうだと感じるようでしたら、真似してみてください

私の場合、次の2つの手順で「自分にとっての参考になる俳句」を選びました


参考にする俳句は、歳時記の中から選ぶ

俳句を始めると、さまざまな所で、沢山の句を目にするようになります
「句会で発表された句」「俳句教室の同僚の句」「教室の先生の句」「俳句大会の入選句」
もちろん、この中にも良い句や、参考になる句は沢山あると思うのですが
それよりも、自分が参考にすべき俳句は「歳時記」の中から選ぶべきだと思いました
歳時記に掲載される句は、時代を経て、現在に至るまで良い句だと評価され、生き残ってきた句です
一方で「句会で発表された句」「俳句教室の同僚の句」などは、そのとき良いなと感じたとしても
それが100年先まで残り得る句かどうかは、未知数です
ですから今現在、長い期間評価されている「歳時記」中の句から、「自分にとって参考になる俳句」を選ぶべきです

ただ、歳時記といっても、1冊の本で数万もの俳句が掲載されています
それら全てを参考にするのは無理がありますので
その中から、更に参考になる句を絞り込みます
その方法は、次のように行います

期間を置いて、最低三回は歳時記を読む

まず、歳時記に掲載されている俳句をすべて鑑賞します
その中で、自分が良いと思う句だけにチェックを入れます
そして一年以上の期間を置いて、再び歳時記の句を全て鑑賞して、同じようにチェックを入れます
そして、さらに一年以上の期間を置いて、また同じようにチェックを入れます
このように三回チェックを行うと、三回ともチェックの入る句が必ずでてきます


この方法によって、歳時記の膨大な句の中から、数百句を絞り込むことができます
このようにして絞り込んだ句を、わたしは「自分の参考にする句」 としました

長い期間を置いて読み返してみても、その都度良いと感じられる句は、他の句にはない
自分の感性を刺激する、何かを持っているはずです
その刺激するものが何かは分からなくても、その句を参考にして句を作成していく中で
きっと、その刺激する何かが、見えてくるはずです


良く分からない状態で、やみくもに先輩の俳句を参考にするよりも
この方法で「自分にとって参考にすべき俳句」を選んだ方が、わたしは良いと思います




まとめ
① 自分が参考にする俳句は「歳時記」から選ぶ
② 「歳時記」の中で、何度読んでも良いと思う句を「参考にする句」にする