113 俳句での二重投句とは? なぜ二重投句がいけないのか



俳句の大会では、「二重投句は禁止」という注意事項が必ず言われます
二重投句というのは、他の俳句大会にも同じ作品を提出することや
以前入選した句を、今回の大会にも応募することを指します
「二重投句は禁止」というのは、そのようなことはのは駄目ですよ、という意味です

同じような注意として、「未発表の句のみ」「既発表作品は不可」というのもあります
こちらの場合は、俳句大会だけでなく、俳句結社の雑誌に載った句や、ブログに掲載した句なども応募するのは駄目ですよ、という意味です


どちらにしても、新しく作った句だけを応募してくださいという注意事項です
この注意は守ることが絶対のマナーです

では、なぜ俳句大会では「二重投稿は禁止」なのでしょうか?


大会関係者の立場から考えてみましょう


通常、優秀賞の句の著作権は大会主催者に帰属されるものです
著作権が主催者に帰属されることで、次回の大会の呼びかけなどの際に
昨年度の優秀作品をポスターに載せることも可能になります
しかし、その作品が複数の大会で受賞していて、それぞれの大会の広告ポスターに掲載されてしまったらどうでしょう
大会関係者にとっては、とても迷惑なことだと思います

また、二重投句が許されてしまうのであれば
ある大会の優秀賞作品を盗作して提出し、他の大会で優秀賞をとってしまうことも可能になってしまいます
「別の名前で、まったく同じ作品がある(盗作がある)」と大会関係者が指摘しても
「向こうの名前はペンネームだ」
「向こうが私の作品を盗んだのだ」
などと言われてしまえば、確認のしようもありません
これも大会関係者にとっては迷惑なことです


「二重投句が禁止」というのには、さまざまな理由があります
大会が「二重投句が禁止」というルールを設けて行っているのですから
その大会に参加する以上、ルールを守ることが最低限のマナーだといえます