279 どのような立場で物を見るのか、よく考えることが大切です



俳句を今後作っていくうえで、自分なりの考えを持っておくことが大切です
例えば、周りの自然や人間関係などに対する自分なりの考えです

自分の確固たる考えを持っていると、必ずその考えが俳句の中に現れます
このような事が自分らしさにもつながります


例えば、植物や動物を見たときに
それらを単なる物質と見るのか
人間と同じように心や意志があるものと見るのか

自分とは究極的には無関係と思うのか
それらも含めて自我と思うのか


対象を見る時の立ち位置からすでに、人それぞれに違いがあるのです
俳句を作って行くと、その違いが自分らしさとなって表れるはずです




また、自分なりの考えを持つことは、これから先の作句生活の中で、ぶれない芯になるはずです


上記の例で言いますと
植物や動物など目に見える自然全てを含めて自我だと感じる人にとっては
植物や動物が意志を持っているように振る舞うことは、当然と感じるため
俳句に擬人法が入ることは、違和感なく受け止められるでしょう
しかし、植物や動物は単なる物質とみる人には、擬人化という表現は到底、受けいれられないものかもしれません


どちらが良くて、どちらが悪いという話ではないのです
自分の立ち位置さえしっかり持っていれば、別の価値観を持つ人に批判をされても何ともないということです
批判は批判として聞いておいて、しかし自分はこのような価値観の元に作っているのだ、と自信をもって言えるはずです


もし自分の立ち位置を持っていなければ、批判をされた際に「そうか、こういった物の見方はいけないのか」と思ってしまい
自分の物の見方さえも曲げて句を作ってしまいかねません
わたしは、そのような句作は絶対に良いと思えません

そのような句作を続けていると、必ず俳句自体がつまらないものに変わってしまうはずです
最悪は、句作自体が苦しくなってしまうのではないでしょうか




自然や人間社会に対して、自分はどのような立場で物を見ているか
一度、しっかりと考えることが大切だと思います