306 動詞が複数あると報告句になりやすい?





俳句を作っていると、どうしても報告をしているような句を作ってしまうことがあります
例えば次の句なども、報告のような句です

階段を昇りて茅の輪くぐりけり


この句がなぜ報告のような句となっているのかというと
「○○を~して、××を~した」(階段を昇って、茅の輪をくぐった)という
「原因と結果」の形をとっているからです


俳句はあくまで詩ですので
業務報告のような報連相は、行わない方が良いといえます



先の句を細かく見てみると、動詞が二つあることが分かります

階段を昇りて茅の輪くぐりけり
「昇り」と「くぐり」が動詞です


一句の中に動詞が複数あると
今回のような報告句になりやすい、ということを覚えておきましょう

このような句を作ってしまった場合は
どちらか一方の動詞だけを詠むと良いでしょう
「登った先に茅の輪があった」もしくは
「茅の輪をくぐった」というように、一方の動詞に焦点を絞ります



一方の動詞に焦点を絞った句を作ってみます

登った先に茅の輪があった  →  「石段を登りし先の茅の輪かな」
茅の輪をくぐった      →  「朝風と共に茅の輪をくぐりけり」


報告句が少し軽減されたのではないでしょうか