099 他動詞ではなく、なるべく自動詞を使うと良い



俳句を作っていると、他動詞を自動詞に直した方が良いと言われることがあります
理由は、他動詞では、その俳句が説明的、つまり散文のようになってしまうからです
これは、他動詞と自動詞の違いを見てみれば、すぐに分かります


他動詞
対象となる事物を、多く助詞「を」で表す    
「戸を開ける」
「本を読む」
「河を泳ぐ」    


自動詞
主語自身の動きを表す動詞、多く助詞「が」で表す
「戸が開く」
「本が倒れる」
「河が曲がる」



これらの違いを見ても分かると思いますが、他動詞の「戸を開ける」は
わたしがいま戸を開けた、というようにかなり説明的となってしまっています
一方で、自動詞の「戸が開く」は、目の前の出来事をただ述べているだけとなります
他動詞を使っていた場合は、自動詞に直した方が良いと言われる理由です


説明的な句だ、と指摘を受けた句は、高い確率で、他動詞が入っている可能性があります
確認をしてみて、他動詞が入っていた場合は、自動詞に直してみましょう


(他動詞)  夏の昼”戸を開け”見れば風の入る

(自動詞)  夏の昼”戸が開き”をりて風の入る