俳句を作るときは、不確実性の高い言葉を選ぶ

 
 
俳句は不確実性の高い言葉を一つ入れると、良くなることがあります

 
人間は文章を読んでいる時、多くの場合、次に来ると思われる確実性の高い言葉を想像しながら読んでいます
鳥という言葉があれば、「鳴く、飛ぶ、啄む」といった次に来そうな言葉を無意識に想像しながら文章を読みます
ですから、その通り「鳴く、飛ぶ、啄む」といった言葉が出てきても、驚きはありませんし感動もありません

しかし、この時に不確実性の高い言葉が出てくると読者ははっとします
鳥が、の後に例えば「転ぶ、泳ぐ、笑う」などが続いたら、読み手は「なんだ?」と思います


次に来そうな言葉を選ぶのではなく、少し来なさそうな言葉を選ぶ
それだけで面白い俳句になる確率が高くなります


それならば、と言って不確実性の高い言葉をいくつも続けると失敗するので注意してください
 
鳥は風呂に入って空が裂けた
 
まったく意味はわかりませんね

 
俳句は17音しかありません。季語以外で使える言葉は2つか3つです
ですから不確実性の高い言葉は1つあれば十分です
この1つの言葉を集中して考えましょう


俳句を鑑賞するとき、他の俳句を見て勉強をするときも、今のことは意識されると良いと思います
大抵、取り上げられるような俳句にも、1つだけ不確実性の高い、少しだけ変わった言葉が入っているものです
そして多くの場合、その部分が俳句の肝になっています
言葉の使い方、置く位置などは、ご自身が俳句を作るうえでも参考になるはずです