一物仕立ては、特徴以外は削ぎ落す

 一物仕立てで俳句を作るときには、対象物の特徴を見極めて
特徴以外のものは、そぎ落とすことが重要だ

例えばピカソの牛のポスターは、最初は牛のあらゆる部分が繊細に描かれているのだが、牛の特徴にはさして必要ない部分をそぎ落として行き、最終的に数本の線だけで牛の絶対的な特徴だけを描きだしている
線だけを見ると簡単に真似できそうだが、簡単にはできない


 












俳句もこのように対象物をじっと見て、それにしかない絶対的な特徴だけを詠む
それ以外の言葉は削ぎ落すこと
牛を言葉で表現するのに百万語は費やせない
十七音で表現しなくてはいけないのだ
「牛が水を美味しそうに飲んでいた」という意味のない情報を言うのではなく
「牛が水を飲む」ことを言うのなら、絶対的な「牛が水を飲む特徴」、馬でも羊でもなく「牛が水を飲む特徴」を見極めて、それ以外の余計な言葉はすべて削ぎ落すこと
このそぎ落としが上手くできるかが、人との違いにつながる