文法の間違い、俳句に多い「寂しけり」

俳句でみられる「けり」の誤用について、説明します
例えば、次の句

独り居に秋風吹きて寂しけり

終止形の「寂し」に「けり」をつけていますが
「けり」は終止形ではなく、連用形につく助動詞ですので「寂し(終止形)けり」という使い方はしません

では、「寂し」の連用形である「寂しく」に「けり」がつくの?と思うかもしれませんが
そのような使い方もしません

形容詞の場合、その後に助詞などが接続するときは、補助活用を使います
ですから、「寂し」の連用形の補助活用「寂しかり」に「けり」がつきます
「寂しかり(連用形の補助活用)けり」となります


下五で音数を合わせるために、「寂しけり」とやってしまいがちですが、注意しましょう