俳句での省略は、主に鑑賞者の想像の引き金になる
それを狙って省略をする
例えば
桜が風に吹かれて揺れている
桜が吹かれた
前者は、最後まで結論を言っているため、それ以上の想像は広がらないが
後者は、吹かれたのだけれど、吹かれた後の想像を、読者が自由にできる
同じように枝が揺れたのかもしれないし、花弁が一斉に舞い散ったのかもしれない
桜が吹かれた瞬間に、自分の背中からも風が吹き抜ける様子を想像する人もいるだろう
俳句は短すぎて何も言えない
だから「わざと省略して言わないことで、その先は読者に想像してもらう」
そんな方法が有効に働きやすい文学だ
「桜が風に吹かれて揺れている」は
「なにが」「どうして」「どうなった」という構造だ
初心者は大概、この構造で俳句を作ってしまう
このように全部言わないと、読者に分かってもらえないのではないか、と不安に思うからだ
不安に思う必要はない
言葉が足りなければ、その先は読者が想像してくれる
無理に言葉と詰め込むことは得策ではない
「なにが」「どうして」「どうなった」でも
「いつ」「どこで」「どうなった」でもなんでもそうだが
この3段階構造は、すべて2段構造で丁度いい
「なにが」「どうなった」
「いつ」「どうなった」
少し意識して使ってみてほしい


↑クリックすると、ランキング投票になります
よろしくお願いします!