俳句を鑑賞すると、ときどき変わった読みかたを目にすることがあります
例えば
大根が「だいこ」
夕焼けが「ゆやけ」など
最初は「これは何なんだ?」と思うかもしれません
その気持ちは重要で、あなたがそのように思ったということは
俳句をやっていない鑑賞者であれば、なお同じ疑問を持つ可能性が高いということです
ですので、そのような言葉を使うときは、本当に使ってよいのか慎重に決めたほうが良いと思います
俳句でみられる、変わった読み方と由来を少し載せてみます
普通の読み方 |
変わった読み方 |
由来 |
大根 |
だいこ |
方言の一つ |
夕焼 |
ゆやけ |
宮崎の方言 |
南風 |
みなみ |
広島の方言 |
海霧 |
ガス |
北海道太平洋沿岸で発生する霧の地方名 |
薄氷 |
うすらい |
薄(うす)らな氷(ひ)から「うすらい」 |
川音 |
かわと |
「かわおと」の音変化で「かわと」 |
天道虫 |
てんとむし |
由来不明 |
生命 |
いのち |
由来不明 |
由来を見ても、なるほど、一般的には知られていない言葉だと分かります
それでも俳句でこれらの読み方を使うのは
俳句が十七音で完結させる、という少し無茶なことをしているからです
十七音に音数の調整するために、あえて特殊な読み方を使うという事情がありあります
また、一句を読んだ時の音の流れ・響きなどを重視して、そちらの読み方を選ぶ、ということもあります
一般的には使われない読み方かもしれない
一般の人が鑑賞したら読めないかもしれない
それでも
「ここでは音数を合わせたい」
「音の響きを優先させたい」
というときに、特殊な、省略した読み方を使うことがあります
変わった読みかたを使うか使わないかは作者の自由です
ただ、読者がいて読んでもらえるからこそ、作品としての価値が生まれまれます
一般的でない言葉を使うかどうかは、慎重なくらいに決めてもよいと思います


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