576 俳句は、絶対に「五七五」で作るべき

  

俳句は十七音の詩と言われます

このように言われると、勘違いをしてしまう人がいるのですが

俳句は十七音が大事なのではなく、「五七五」が絶対的に大事です

 

大抵、無理だと思われる状況でも、必死に考えれば99%は「五七五」でまとめることができます

俳句を初めて間もない人は、どんなことをしても「五七五」で作るように努力した方がいいと思います

 

 

いきなりですが、次の一文は俳句だと思うでしょうか

 

「青葡萄が早朝に光っている」

 

おそらく、ほとんどの人が俳句だとは思いません

では、次の一文はどうでしょうか

 

「陽の射して光かがやく青葡萄」

 

何となく、俳句の感じを受けます

両方、同じ十七音で作られているのですが、後者の方が俳句らしいです

同じ十七音であるにも関わらず違いを生むのは、後者が「五七五」で作られているからです

俳句は十七音が大事なのではなく、「五七五」が大事だということです

「五七五」で生まれるリズムが、俳句だと思わせる大きな要素になっているのです

 

 

「五七五」のリズムと、「五七五」とは違うリズムで、俳句を読み比べてみましょう

最初の2句は「五七五」のリズムで読んでみます

 

ゆさゆさと/大枝ゆるる/桜かな

さまざまの/事おもひ出す/桜かな

 

次の2句は、「五七五」とは違うリズムで(意味での区切れで区切って)読んでみます

 

さくら咲きあふれて/海へ雄物川

うつばりに紐垂れてをり/さくらの夜

 

 

前の二句と、後の二句とでは、どちらが俳句らしいでしょうか

おそらく、ほとんどの人が前の二句を俳句らしいと感じたはずです

 

やはり、これも「五七五」のリズムがあるから、俳句らしさを感じるのです

 

 

「五七五」で詠むだけで、俳句らしくなる

この事実は重要で

俳句を始めたばかりの人は、俳句というのはどのように詠んでよいのか全く分からず

手探りで詠んでいるはずです

しかし「五七五」さえ守っていれば、その作品は一気に俳句らしくなります

「五七五」さえ守っていれば、「五七五」のリズムが一文を俳句に変えてくれるからです

初学者でも「五七五」で作れば、「五七五」が作者を守ってくれるのです

 

ですから、はじめのうちは、どんなことをしても「五七五」で作る努力をしてみた方がいいでしょう

 

 

俳句を作りなれてくると、新しいことに挑戦したい、という衝動にかられ

「五七五」を崩した俳句を作りたくなることもあると思います

思うだけにして、実際に崩すことはやめたほうがいいでしょう

 

 

最初に見た一文

「青葡萄が早朝に光っている」

これを、あなたは俳句だとは思わなかったはずです

俳句だとは思えない表現方法をやってみても

誰もその作品を俳句だとは思ってくれないはずです

 

「五七五」は、今もこれからも、絶対に守ったほうがいい最大のルールです