俳句は十七音の詩と言われます
このように言われると、勘違いをしてしまう人がいるのですが
俳句は十七音が大事なのではなく、「五七五」が絶対的に大事です
大抵、無理だと思われる状況でも、必死に考えれば99%は「五七五」でまとめることができます
俳句を初めて間もない人は、どんなことをしても「五七五」で作るように努力した方がいいと思います
いきなりですが、次の一文は俳句だと思うでしょうか
「青葡萄が早朝に光っている」
おそらく、ほとんどの人が俳句だとは思いません
では、次の一文はどうでしょうか
「陽の射して光かがやく青葡萄」
何となく、俳句の感じを受けます
両方、同じ十七音で作られているのですが、後者の方が俳句らしいです
同じ十七音であるにも関わらず違いを生むのは、後者が「五七五」で作られているからです
俳句は十七音が大事なのではなく、「五七五」が大事だということです
「五七五」で生まれるリズムが、俳句だと思わせる大きな要素になっているのです
「五七五」のリズムと、「五七五」とは違うリズムで、俳句を読み比べてみましょう
最初の2句は「五七五」のリズムで読んでみます
ゆさゆさと/大枝ゆるる/桜かな
さまざまの/事おもひ出す/桜かな
次の2句は、「五七五」とは違うリズムで(意味での区切れで区切って)読んでみます
さくら咲きあふれて/海へ雄物川
うつばりに紐垂れてをり/さくらの夜
前の二句と、後の二句とでは、どちらが俳句らしいでしょうか
おそらく、ほとんどの人が前の二句を俳句らしいと感じたはずです
やはり、これも「五七五」のリズムがあるから、俳句らしさを感じるのです
「五七五」で詠むだけで、俳句らしくなる
この事実は重要で
俳句を始めたばかりの人は、俳句というのはどのように詠んでよいのか全く分からず
手探りで詠んでいるはずです
しかし「五七五」さえ守っていれば、その作品は一気に俳句らしくなります
「五七五」さえ守っていれば、「五七五」のリズムが一文を俳句に変えてくれるからです
初学者でも「五七五」で作れば、「五七五」が作者を守ってくれるのです
ですから、はじめのうちは、どんなことをしても「五七五」で作る努力をしてみた方がいいでしょう
俳句を作りなれてくると、新しいことに挑戦したい、という衝動にかられ
「五七五」を崩した俳句を作りたくなることもあると思います
思うだけにして、実際に崩すことはやめたほうがいいでしょう
最初に見た一文
「青葡萄が早朝に光っている」
これを、あなたは俳句だとは思わなかったはずです
俳句だとは思えない表現方法をやってみても
誰もその作品を俳句だとは思ってくれないはずです
「五七五」は、今もこれからも、絶対に守ったほうがいい最大のルールです


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