533 「時鳥」の季語と子季語

 
 
季語の一つ「時鳥」と、「時鳥」に関連する語(子季語)を紹介します。
歳時記にも子季語は紹介されてはいるのですが、言葉の意味までは書かれていないことがあります。
それぞれの言葉の微妙な違いを知ることで、句作の表現の幅が広がるはずです。
 
 


時鳥【ほととぎす】

南方から渡ってきて日本に夏を告げる鳥。雪月花に並ぶ夏の美目でもある。夜、密かに鳴ことを忍び音という
子規(ほととぎす) 時鳥(ほととぎす)の別称。別に「しき」とも呼ぶ
不如帰(ほととぎす)

時鳥(ほととぎす)の別称。別に「ふじょき」とも呼ぶ
杜魂(ほととぎす) 時鳥(ほととぎす)の別称。別に「とけん」とも呼ぶ
沓手鳥(ほととぎす)
時鳥(ほととぎす)の別称。別に「くつてどり」とも呼ぶ
蜀魂(ほととぎす)
時鳥(ほととぎす)の別称。別に「しょっこん」とも呼ぶ
沓直鳥(ほととぎす)
時鳥(ほととぎす)の別称。別に「くつてどり」とも呼ぶ
杜宇(ほととぎす) 時鳥(ほととぎす)の別称。別に「とう」とも呼ぶ
霍公鳥(ほととぎす) 時鳥(ほととぎす)の別称
田鵑(ほととぎす) 時鳥(ほととぎす)の別称
卯月鳥(うづきどり) 時鳥(ほととぎす)の別称
田長鳥(たおさどり) 時鳥(ほととぎす)の別称
橘鳥(たちばなどり) 時鳥(ほととぎす)の別称
賤鳥(しずどり) 時鳥(ほととぎす)の別称
妹背鳥(いもせどり) ホトトギスの女房詞
初時鳥(はつほととぎす) その年はじめて声をきくホトトギス
山時鳥(やまほととぎす) 山にいる時鳥。「山」をつけるのは、山口素堂の「目に青葉山ほととぎす初鰹」からか
名乗る時鳥(なのるほととぎす) 時鳥がその名を鳴くことから
待つ時鳥(まつほととぎす 豊臣秀吉の「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」からか