531 「南風」の季語と子季語

 
 
季語の一つ「南風」と、「南風」に関連する語(子季語)を紹介します。
歳時記にも子季語は紹介されてはいるのですが、言葉の意味までは書かれていないことがあります。
それぞれの言葉の微妙な違いを知ることで、句作の表現の幅が広がるはずです。
 
 
 

南風【みなみかぜ】
南から吹く夏の季節風。四月から八月ごろまで吹く海からの湿った風
南風(なんぷう) 南風(みなみかぜ)と同じ。
南風(みなみ) 南風(みなみかぜ)と同じ。
南風(まぜ) 南風(みなみかぜ)と同じ。西日本での呼び名
南風(まじ) 南風(みなみかぜ)と同じ。西日本での呼び名
南風(はえ)
南風(みなみかぜ)と同じ。沖縄では南の方位を「はえ」と言うため
南風(ぱいかじ) 南風(みなみかぜ)と同じ。
南(みなみ)
「みなみ」だけで南寄りの風を指すのは、関東以北の太平洋岸だけ
南吹く(みなみふく) 南風が吹いていることを言う
正南風(まみなみ) 南風(みなみかぜ)と同じ。
正南風(まはえ) 南風(みなみかぜ)と同じ。
南東風(はえごち) 東南東からの風。「こち」は東から吹く風
南東風(みなみごち) 東南東からの風。「こち」は東から吹く風
沖南風(おきばえ)
南西よりの風。九州西部沿岸地方の言葉。不漁となるのでいやがられる
南西風(はえまじ) 正面から吹いてくる南風。風向きと合わせて、正南風
大南風(だいなんぷう)
発達した低気圧が日本海を通過する際に吹く、強い南風のこと
大南風(おおみなみ) だいなんぷうと同じ
海南風(かいなんぷう) 海上で吹く南風
五斗食い風(ごとぐいかぜ)
梅雨半ばの荒れ模様の天気を伴う南風のこと。海が荒れ、五斗の米を食べ終わるまで出漁できないことから。福岡県志賀島での呼び名
六俵南風(ろっぴょうばえ) 海が荒れ、六俵の米を食べ終わるまで出漁できないことから。佐賀県東松浦半島での呼び名