498 多作にはコツがある

 

多作をする「コツ」のようなものを紹介する



 

オンオフを明確に

 

身体の調子が良い時と悪い時があるように、俳句をすらすら作れる時と、まったく作れない時がある

 

 

体調が悪い時に無理に仕事をしても良い仕事はできないように

まったく作れない時に、無理に頑張っても結局はろくなものが作れない

 

なので、毎日毎日多作をしようとするのではなく、月単位で見たときに多作であればいい

 

すらすら作れる時に、作れない日の分も一気に作り込んでしまい、作れない時には、素直に休む方がいい

 

休んでいる時は、普段見ない人の句集や、ハウツー本などで、俳句の基礎を固めて、反復学習をしよう

ただし、一日休むと言っても、最低でも一句は作った方が良い

一句も作らない日が、3日続くと、おそらくそのまま俳句を作らなくなってしまうから

 

 

 

五感を研ぎ澄ませてみよう

 

作れない日に俳句を作るのは、たとえ一句だとしても大変だ

そういう時は、いつもと違う作り方を試してみること

 

 

例えば、五感(見る、聴く、嗅ぐ、触る、食べる)の刺激を研ぎ澄まして作るのも有効だ

 

 

普段私たちが俳句を作る時というのは、視覚から得た情報に頼っていることが多い

つまり「見たもの」を俳句で詠むことが多い

桜の美しさを詠んだり、鳥の優雅な羽ばたきを詠んだり、川の輝きを詠んだり

どれも見たことだ

 

なので、普段意識しない「聴く、嗅ぐ、触る、食べる」の意識を高めるだけで、普段とは違う俳句が作れることがある

少しだけ目を閉じて、耳を澄ましてみてほしい

すると、普段は気にも留めない音に溢れていることに気が付く

時計の秒針の音、台所からの音、飛行機の音、ストーブの音

驚くほど多くの音に気が付くはずだ

 

普段は気にも留めない音

気にも留めないから、俳句の材料にもならなかった音

それらを材料にして俳句を作るのだ

 

同じように、「嗅ぐ、触る、食べる」でも俳句を作ることができる

 

 

 

 

推敲に時間をかける

 

作れないときは、0から新しい句を作るのは容易ではない

0から作るのではなく、既にできている過去の句を手直しすることに時間をかけてもいい

5~6レベルの句を、7~8レベルに推敲する方が、0から作るよりよっぽど簡単だ

 

また、推敲をしていると、別の視点から詠んだらどうなるだろう、と思うことがある

そんな時は、別の視点で詠むだけで、新しい一句が作れてしまうことがある

 

一句の中に色々なものを詰め込んでいた場合は、それぞれの出来事で句を作れば

一句が二句に増えることがある

 

 

作れないときは、無理に作るのではなく

推敲に時間をかける日にしてしまおう

 

 

 

新しい句集を読もう

 

新しい句集や、普段は読まない系統の句を読むことで、インスピレーションが湧くというか

刺激を受けて、作りやすくなることがある

10分以上ノートと睨めっこをしても、まったく句が思いつかないときは

20分待っても、30分待っても句は降ってこないだろうから

気分を一新して、句集や新しい作家の俳句を鑑賞しよう

鑑賞をしている内に、インスピレーションが湧いたら、俳句を作ればいい

 

 

 

 

他にも方法はあると思う

どのような方法でもいいのだが、とりあえず、調子の上がらない日はこのような方法で詠もう

といういくつかのバリエーションを用意しておくこといい