491 理由がないのなら「連体止め」は使わない方が良い

 

俳句を鑑賞していると、「連体止め(連体形で終わるもの)」の句をよく目にする

それなりの考えをもって「連体止め」を使っているのならいいのだが

「先輩が使っているから」「先例で使われている体言止めだから」

という理由で使うのなら、やめた方がいい

 

やめた方がいい理由は

「連体止め」の句の多くは、違和感があるから

違和感の良し悪しを理解しないで、先例を真似たところで失敗する確率が高い

 

 

 

ここでは、違和感のある連体止めを紹介する

連体止めを使っている人は、自分の句が当てはまらないか、一度確認をした方がいいかもしれない

 

 

【夕焼けの連体止め】

 

○○○○○ / ○○○○○○○ / 夕焼くる

 

「夕焼け」を連体止めにしている句はよく見かけるのだが

「夕焼け」は名詞であり、活用はしない

先例があるから皆使うのだろう

自分の使っている言葉が活用するのかしないのかを確認すれば、このような間違いはおきないはずだ

 

 

 

【年の暮れの連体止め】

 

○○○○○ / ○○○○○○○ / 年暮るる

 

「年の暮れ」も名詞なので、活用はしない

「暮るる」を使いたいのなら「暮るる年」にすれば良いこと

わざわざ連体止めにする必要は無い

 

 

 

【運ぶの連体止め】

 

○○○○○ / ○○○○子の荷 / 運ばるる

 

「運ばる(終止形)」では4音のため、「運ばるる(連体形)」で5音にしているのだろう

5音で収めたいのなら「運ばれる(終止形)」も使える

どうしても「運ばるる(連体形)」を使いたいのなら、「運ばるる子の荷」として、語順を変えれば済む話である

 

 

 

【滝涸るの連体止め】

 

○○○○○ / ○○○○○○○ / 滝涸るる

 

「滝涸る」では1音足りないため、「滝涸るる」にしているのだろう

涸れるのは滝なのだから、「涸るる滝」で良いはず

5音で音数を合わせたいのなら「滝涸れる」など、いくらでも方法はある

 

 

 

 

連体止めの多くの句が、字数を合わせるためだけに連体止めにしている感じを受ける

余韻や余情を意識して使っている例(成功している例)は、その中に一つもない

 

 

 

このような連体止めが頻繁に見られるのは

「焼くる」「暮るる」「運ばるる」「涸るる」など、上二段活用や上一段活用が最後に来るときだ

 

昔は、これらの言葉を使うとき、終止形は連体形に対して1音少なかった

 

 

終止形

連体形

焼く

暮る

涸る

焼くる

暮るる

涸るる

 

 

 

現代は同じ音数

 

 

終止形

連体形

現在

焼ける

暮れる

涸れる

焼ける

暮れる

涸れる

 

 

「現在の言葉で考えて、文語風に直そうとして、結果的に現在の言葉に引きずられている」という人が多いのではないか

 

「焼くる」「暮るる」「涸るる」「流るる」「食ぶる」など

語尾が「る」の単語で終わる場合は、上記のような間違いをしてしまう可能性が高いので、注意した方がいい

 

 

 

連体止めを否定するわけではないが、ほとんどの句が間の抜けた終わり方になる

連体形の良し悪しの判断がつかない内は、使わない方が無難だ

 

 


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