463 俳句で使われる「音便」をマスターしよう

 

 

「音便」というのは、動詞の連用形に現れる4つの変化で、以下の4種類があります

 

    イ音便

    ウ音便

    撥音便(はつおんびん)

    促音便(そくおんびん)

 

それぞれについて、説明します

 

 

 

①イ音便

「き」「ぎ」「し」「り」の子音 k, g, s, r が脱落して「イ」の音になる現象

「書きて→書いて」「泳ぎて→泳いで」「指して→指いて」「美しき→美しい」「おっしゃります→おっしゃいます」の類

 

てふてふと書きて放浪したくなる

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てふてふと書いて放浪したくなる

 

 

 

 

 

②ウ音便

「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などが「ウ」の音になる現象

「よく→よう」「思ひて→思うて」「呼びて→呼うで」「頼みたる→頼うだる」の類

 

父を思ひて陽炎のおもさかな

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父を思うて陽炎のおもさかな

 

 

 

 

 

③撥音便(はつおんびん)

連用形語尾の「に」「び」「み」が「て」「たり」などに連なるとき撥音(ん)に変化するもの

「死にて→死んで」「飛びて→飛んで」「読みて→読んで」の類

 

ばらばらに飛びて向ふへ初鴉

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ばらばらに飛んで向ふへ初鴉

 

 

 

 

 

④促音便(そくおんびん)

連用形語尾の「ち」「ひ」「り」が、「て」「たり」などに連なるとき促音(っ)に変化するもの

「勝ちて→勝って」「言ひて→言って」「ありて→あって」の類

 

万緑と言ひてかなしい奥歯かな

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万緑と言ってかなしい奥歯かな

 

 

 

 

※一つの語で二つの音便に詠みわけられる動詞もありますので注意しましょう

買ふ(他ハ四)買ひて(連用形+て)買うて(ウ音便)

              買ひて(連用形+て)買つて(促音便)

 

 

 

一音(場合によっては二音)が変化するだけですが、俳句から受ける印象も変化します

音便も意識して直すと、より良い俳句に近づくはずです

 

 


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