404 「伝える」と「伝わる」は違う




俳句では、「伝えよう」とする人が多すぎます
「伝えよう」とするあまり、季語と他の言葉の相互関係をあれこれ悩んだり、材料の使い方や俳句の構造などを考えすぎてしまうのです
「伝えよう」とあれこれ考えれば考えるほど、相手には「伝わらなく」なると思った方がよいでしょう

まず何よりも、俳句は相手に理解してもらわなければどうにもなりません
理解してもらう俳句、伝わる俳句を作るためには
構造がどうのよりも「相手がイメージできるか?」を中心に考えた方が良いのです

そして、表現はすっきり簡単にすることが重要です
「大事なことだけシンプルに伝えること」
つまり「エッセンスを絞ること」が大切なのです

表現の方法としては、2点のポイントがあります

桜が散るさまを詠いたいのでしたら
「桜が散る」
このフレーズは壊さないこと
核となる部分はいじらずに表現した方が、イメージしやすいからです

例えば、目新しい表現を使いたい、などと考えて
「桜が散る」を「桜が舞い踊る」などとやってしまう人がいますが
こうなると、核となる部分がイメージできなくなってしまうため
他の部分にどのような言葉が入っても、イメージできない俳句になってしまいます
桜が舞い踊るとは、一本の樹が風に吹かれて大きく揺れているのだろうか?桜が散る様子が舞い踊っているように見えたのだろうか?それとも別のことを表現したいのか?
と読者は迷ってしまうのです


言いたい部分は最大限にシンプルにすることでイメージしやすい句になります
後は、残った音数で「どのように散ったのか」「散ってどうなったのか」
を面白い表現で書けば、「伝わりやすい」句になります