391 俳句では多作が勧められるが、他の芸術や美術は多作なの?




多作多捨(たさくたしゃ)は、俳句の世界でよく使われる言葉です
俳句の上達のためには、作品を多く作り、駄作はどんどん捨てましょうという意味です

この考えには、賛否両論があるため、今回は他の芸術や美術の世界でも、多作が行われているのかを調べてみました


結果、いくつかの例を調べてみると、名前を残すアーティストの多くが多作だということが分かりました



■ モーツァルト
モーツァルトは、時代の流れもあったのですが、概して多作だったようです
5歳から作曲を始めて、35歳までの生涯の中で、626曲を作ったそうです
断片も含めると900曲を越えていたと言われています

同じ時代のその他の作曲家で何が音楽的に何か違いがあったのかを分析した研究では
残っている作品の数が多いという以外の違いはなかったそうです
つまり、モーツァルトは自分の作品をたくさん残したことが、評価につながったと考えられるのです



■ 織田哲郎
歌手の織田哲郎さんが、現在までにリリースした作品数は600以上だそうです
職業作曲家の中には2000作品以上書いている人もいるそうで、本人は600曲でも少ないと言っています



■ ピカソ
絵描きは一枚を書くのに何週間もかかるイメージがあり、多作とは思えなかったのですが、調べてみると、ピカソも史上まれに見る多作の作家だったようです
絵画だけでも2千点弱を製作しており、ドローイングなどの作品を合わせると、生涯の作品総数は約5万点とも推定されています
ピカソの大半の作品は、世界のどこかの地下室に眠ったまま、と言われています



■ 陶芸家
陶芸家の辻村史郎氏は、独学で陶芸を極めた作家ですが、多作だと知られています
1回の個展で150点近くを出品するそうです




俳句以外の分野では、多作が難しそうなイメージがあったのですが
実際はそのようなことは無く、どの分野においても多作である人が、結果的に良い作品を残しているようでした


多作というスタイルは俳句だけでなく
他の芸術や美術の世界でもそうである可能性が高いようです