399 「良い俳句」「悪い俳句」に違いは無い



芸術作品の評価に基準はあるのでしょうか?
わたしは、無いと思います
価値判断というのは皆それぞれ違うのが普通で、何が良くて何が悪いかなど、そもそも基準など付けようがないと思うのです

モーツァルトの時代の作曲家とモーツァルトを調べた研究があります
その時代の中で何故モーツァルトの曲はヒットし、今でも残っているのか?を調べた研究ですが、結局モーツァルトと他の作曲家では、さして大きな違いは見とめられず、唯一作られた曲の数だけがモーツァルトは多かった、という違いしかなかったようです

つまり、作品が多いほど、人の目にも止まりやすく、人から良いと評価される確率が高いということだけなのだと言えます


例えば、Aさんは990句を作り、Bさんは10句を作って持ってきたとします
両者の計1,000句を、1,000人に見てもらい「どの句が良いですか?」と聞いた場合
確率で言えば、1句づつに1人が良いと答えるはずです
実際にはそのようにはいかないのでしょうけど、確率で見てみるとAさんには900票が入り、Bさんには10票が入ることになります
どの作品も、良くもあり悪くもあるのです
しかし、合計得票数は、Aさんに分配が上がり、Aさんは良い俳句を作る人だ、ということになります

このことは、モーツァルトの例でもそうですが、他の芸術でも同じことが言えるのだと思います
絵画も陶芸も、習字も、作品が多ければ多いほど、良いと言われる回数も高まるのです