372 「俳句では全てを言わないこと」と言われるけれど、どういうこと?




俳句はわずか17音しかありません
なるべく多くを詰め込みたいと思うのが人情ではありますが
そのことが、かえって俳句を小さく見せてしまいます
中身が詰まりすぎていてると、読者は息苦しさを感じを受けてしまいます

17音しかないがゆえに、必要最低限のことだけを言って
余韻や余情を大切にしなくてはいけません


どの文章でも、何か言い残しがあったり、描き足りないところがあった方が、読者の想像は広がりますよね?
描き足りない所があると、自然に読者は想像をめぐらして、自分で作品を大きくするのです



「俳句では全てを言わないこと」と初めて言ったのは芭蕉です
芭蕉は弟子に、次の言葉を残しています

全てを言い尽くしたものは文芸ではない
言い尽くしてことがすむのなら、文芸は必要ない
言い尽くさないことで、世界を超えるのだ
言い尽くせないことが、無限の世界を言うことになるのだ





一度俳句を作ったら
不要なところをどんどん削ってゆきましょう
一見必要でありそうなところでも、捨てられるところは捨てます
そうすることで、必要なところが際立ってきます



俳句を作るうえで、参考になさってください