352 今後は、日本人らしい俳句を作る時がくる?



俳句は現在、世界中で詠まれる文芸にまでなりました
今後、さらに世界に広まっていくことが予想される中で、俳句を詠むわたしたちは「日本人らしく詠むこと」が、必要になってくるのではないかと思うのです


日本人らしく詠む、というのはなかなかピンとこないかもしれませんが、「源氏物語」が良い先行事例となるかもしれません

源氏物語は、1千年前に書かれた文章であるにも関わらず、現在にもなお読み継がれ、世界中に知れ渡っている稀有な文芸作品です

このように、源氏物語が世界にまで広がっている理由の一つは、源氏物語が、人の内面を描き、物の哀れに美を見る、日本人らしさを捉えた作品だからだと思います


日本人は、満開の桜だけでなく、桜の花の芽吹きや、散りゆくさまにも、当たり前のように美しさを感じますよね
このような繊細な感情を描くことこそが、日本人らしさにつながるのではないでしょうか



日本で生まれた俳句は、おそらく日本人らしさを表現する器に最も適しているのだと思います

世界に俳句が広がる中で、日本人らしさ、日本人が感じる自然への思いを、俳句に詠むことが、今後さらに必要となってくるのだと思います