擬人化を句に入れることは、両極端に意見が分かれます
駄目だという人がいる一方、良いという人もいます
駄目だという人の多くは
単なる物質に、人間の性質を与える表現自体が理解できないようです
このような考えを持つ人は、物だけでなく、植物や動物に対する擬人化も容認できないようです
人によっては、擬人化の俳句に強い嫌悪感を抱くこともあるようです
擬人化を使っても良いのでは?という人の意見には、次のようなものがあります
自然の中の一部として人間がいる以上、自然と人間は同じものであり
その自然の生命観を描くとき、擬人化が出るのはごく当たり前のこと
どちらの意見が正しわけでも、間違っているわけでもないでしょう
作者が擬人化に対してどのように思うかで、判断が分かれるのは当然です
以前、私は擬人化の俳句を句会で提出したことがあります
「暮早し月はひかるを急きにけり」
暮れるのが早くなる冬では、暮れればすぐに月も光り出します
その景色を見て、日が暮れるのが早いから、月も光るのを急いでいるようだな
と思って作りました
「月が光ることを急いでいる」
という所が擬人化なのですが
その時に、擬人化に対して次の意見がでました
「わたしには、月の気持ちは分からない」
「それはそうだ」と思いました
擬人化の対象物が物や動物では、確かに感情移入などできないと思いました
擬人化の句を作る人は、当然、擬人化が悪いとは思わないから作るわけです(わたしです)
しかし、その句を提出する際は、擬人化を嫌う人もいることを
頭に入れておいたほうがよさそうです
もし擬人化の使用に対して注意を受けた場合ですが、その時は意見を聞きながら
「あぁこの人は、擬人化が嫌なのだな」と思えばよいでしょう
その人に注意を受けたからと言って、擬人化は作ってはいけないのだ、などと思う必要はないでしょう
考え方がただ違うというだけなのです


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