328 語尾を削ったら、説明句が直った



「俳句を作るたびに、説明的な句を作ってしまう」
「毎回、理屈っぽい句だと言われてしまう」という方のために
説明句を直すちょっとした方法を紹介します

今回紹介する方法は、俳句の語尾を削るだけで、説明句を直す方法です

例えば次の句

「葉の散りて蓑虫あからさまとなる」


葉が散ったことで蓑虫の姿があからさまになった、という説明となっています
葉の散ったことで、姿があからさまになった、という流れも説明的ではありますが
それ以上に語尾の「~となる」という部分が、説明的な感じを強くさせてしまっています


このよう説明的な句となってしまった場合は、語尾を消せないかを一度確認してみましょう
語尾を消すだけで、すっきりとした句になることがあるからです

試しに、語尾を削ってみましょう
「葉の散りて蓑虫あからさまとなる」
「葉の散りて蓑虫あからさま」

これだけでも、すっきりした感じになりました
ただ、3音を削ってしまったので、削った3音分をどこかに入れる必要があります
どこに入れるか、ですが
俳句を構成している文字の数をみると、次のところに入れてあげると、すっきりと五七五になりそうです
「葉の○○〇/散りて蓑虫/あからさま」
「葉の散りて/蓑虫○○○/あからさま」

直した結果です
「葉の全て散りて蓑虫あからさま」

今回は、「~となる」を削りましたが
「~とする」「~になる」「~にする」
というような終わり方をしてしまったときには、削れないか確認をしてみると良いでしょう