歳時記に載っていない季語は使ってはいけないの?
初学者は一度は頭をよぎる疑問です
その単語を見たときに「季節が想像できる」のであれば、歳時記に載っていなくても、季語として使えます
初学者は一度は頭をよぎる疑問です
その単語を見たときに「季節が想像できる」のであれば、歳時記に載っていなくても、季語として使えます
もしもその花が、夏にしか咲かない花であるなら、歳時記に載っていなくても、夏の季語として使って差し支えありません
一方で、「机」や「テーブル」「岩石」といった季節の想像できないもの、季節とは関係のないものは、季語として使えません
■ なぜ歳時記にのっていない季語があるの?
では、なぜ歳時記に載っていない季語があるのでしょうか
歳時記は本ですのでページ数に限界があります、掲載できる季語の数もおのずと制限がでるのは当たり前です
複数の歳時記を比較してみると、同じ季語でも
①歳時記A 歳時記B 両方に載っている
②歳時記A 歳時記B どちらか片方に載っている
③歳時記A 歳時記B 両方とも載っていない
と言うように、さまざまです
メジャーな季語(桜や月など)は
①歳時記A 歳時記B 両方に載っていますし
マイナーな季語(鵲の橋)は
②歳時記A 歳時記B どちらかにしか載っていない可能性があります
超マイナーな季語(達磨供養)は
③歳時記A 歳時記B 両方とも載っていないでしょう
■ どの歳時記にものっていない季語「達磨供養」
例えば、どの歳時記にも季語として載っていない行事のひとつに「達磨供養」というものがあります
一年間の商売繁盛などさまざまな祈願をされた達磨を、主に節分の前後にお焚き上げをして供養するというものです
達磨供養を行っているお寺が少ないこともあり、どの歳時記も掲載されていません。ただ歳時記に掲載はされていなくても、その地域には立派に根付いた季節の行事となっているので季語として使えます
■ 歳時記に載っていない季語を使うときの注意点
歳時記に載っていない季語を使う場合には、ひとつ注意点があります
歳時記に載っていない季語と言うことは、鑑賞者がその季語を知らないということがあります。その季語を知らなければ、当然、季語が指し示している季節も、鑑賞者には分かりません
季語の最大の武器は、季語がひとつがあるだけで、季節が分かり、その周辺の空気感さえも鑑賞者に知らせることができるという点です。その武器が使えないかもしれない、ということだけは頭に入れておかれた方が良いかもしれません