262 歳時記に載っていないと、季語で使えないの?


歳時記に載っていない季語は使ってはいけないの?
俳句を始めたばかりの人は、一度くらいは頭をよぎる疑問です

そもそも、歳時記(さいじき)ってなに?という人はこちら >>>


季語を見たときに「季節が想像できる」のであれば、歳時記に載っていなくても、季語として使えます
もしもその花が、夏にしか咲かない花であるなら、歳時記に載っていなくても、夏の季語として使って問題はありません
一方で、「机」や「テーブル」「岩石」といった季節の想像できないもの、季節とは関係のないものは、季語として使えません




■    なぜ歳時記にのっていない季語があるの?

本の歳時記ではページ数に限界があるため、掲載できる季語数に制限が生じます
ひとつの季語をとっても

①歳時記A 歳時記B 両方に載っている
②歳時記A 歳時記B どちらか片方に載っている
③歳時記A 歳時記B 両方とも載っていない

と言うように、さまざまです

余りにも有名な季語(桜や月など)は
①歳時記A 歳時記B 両方に載っていますし

マイナーな季語(鵲の橋)は
②歳時記A 歳時記B どちらかにしか載っていない可能性があります

超マイナーな季語(達磨供養)は
③歳時記A 歳時記B 両方とも載っていないでしょう


■    どの歳時記にものっていない季語は使えない?

歳時記にのっていなくても、季節を感じさせる風物であれば季語として使えます
例えば「達磨供養」という行事があります
一年間家に置いていた達磨を、主に節分の前後にお焚き上げをして供養するものです
達磨供養を一般に公開しているお寺が少ないこともあり、どの歳時記も掲載されていません
ただ、年明け後すぐ、もしくは節分までには行われる季節の行事ですので季語として使えます



■    歳時記に載っていない季語を使うときの注意点

歳時記に載っていない季語を使う場合には、ひとつ注意点があります
歳時記に載っていない季語と言うことは、鑑賞者がその季語を知らないということがあります。その季語を知らなければ、当然、季語が指し示している季節も、鑑賞者には分かりません
季語の最大の武器は、季語がひとつがあるだけで、季節が分かり、その周辺の空気感さえも鑑賞者に知らせることができるという点です。その武器が使えないかもしれない、ということは頭に入れておかれた方が良いかもしれません








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