261 俳句では何故、動詞を使わない方がいいのか



俳句では動詞を多用すると何故だめなのか、ですが
動詞を使うと、俳句で忌み嫌われる”説明的な句”となりやすいからです

俳句を作る過程で、その様子を見てみましょう


池の中/〇〇〇〇/カエル鳴く

この丸の中に、どのようなカエルの鳴き声なのかを入れるとします
「大きな鳴き声」というような、声の特徴を入れた場合と
「激しく叫ぶカエル」というような、カエルが頑張っている状態を入れる場合を比べてみます

① 池の中/大きな声で/カエル鳴く

② 池の中/激しく叫び/カエル鳴く


①の方は、池の中(どこで)、大きくカエル鳴く(どうした)、という形になります

②の方は、池の中(どこで)、叫び(どのように)、カエル鳴く(どうした)、という形になります


「大きい」という名詞を入れた場合、「大きい鳴き声」という具体的な言葉に変わりますが

「叫ぶ」という動詞を入れた場合、「叫んでいる」+「カエル」というように、説明になってしまいます

説明や報告は、詩ではありませんので、俳句でやっても、共感は得られません


動詞を使うと、その部分がどうしても説明的になってしまいます
説明になると、詩ではなくなってしまうことから、俳句では動詞はあまり使わないように、と言われます