329 自分の感動した一点を詠む




自然を見ていると、様々な場面で感動を覚えます
それを句にするときには、自分に感動を起こさせたものの実態を深く見つめ、それを言葉にしましょう


実態と言うのは、実際の有様や状態のことを言います

例えば、桜を見たときに、誰もが綺麗だと思います
そこで「桜が綺麗に咲いていた」などと、そのままを言っても仕方がありません
「桜が綺麗」「桜が美しい」「桜は儚い」
このような表面的な言葉は、誰にでも言うことができます

そうではなくて
その瞬間、桜が綺麗に見えた理由は何なのか?
いま目の前にある桜の有様や状態の、いったい何が私に綺麗だと感じさせたのか?

このように深く考えて、言葉にすることが重要です


句を作るたびに、執拗なまでにその姿勢を繰り返すことをお勧めします
そうしていく中で、いままで表面的な言葉でしか言えなかった表現が
少し深く踏み込んだ、ものの本質を捉えるような表現がでくるはずです


そうなったときに、ようやく作者らしさが現れてくるのだと思います