「悲しい」「美しい」という言葉を俳句の中で使ったら
先輩から「このような言葉はあまり使わない方が良い」と注意されることがあると思います
なぜ「悲しい」「美しい」といった言葉は、俳句の中で使わない方が良いとされているのでしょうか?
通常「悲しい」や「美しい」といった言葉は、形容詞と呼ばれ
事物の性質や心情等を表す言葉です
他にも、素晴らしい、悲しい、さみしい、といった言葉がありますが
俳句では、このような言葉をいくら並べてみたところで
作者が何に感動したのかが、具体的には伝わってこないのです
例えば
桜が美しい
と言われても、確かに桜は美しいかもしれませんが
作者は具体的に桜の何に美しいと感じたのかが
まるで分かりません
夕照の桜が美しいのか、散るさまが美しいのか、それとも他の情景が美しかったのか
どの場面の桜を美しく感じたのでしょうか?
仮に
夕照の桜が美しいのだとしたら、朝でもなく、昼でもなく
なぜ夕照の桜なのか、夕照の桜の何が美しいと感じたのか
それを詠まなければ、作者の感動したものが何であったのか
具体的に、読者には分からないのです
美しい、素晴らしい、悲しいといった形容詞はすべて取り除いて
感動させた実態を深く見つめ、それを描くことが大切です
具体的な状況が描かれることで、初めて読者は作者と同じ状況を追体験し
同じように感動することができるのです


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