310 助詞を工夫しましょう


俳句はわずか十七音の短い文章のため、助詞が変わっただけで
大きく句の印象が変化します
ですから、自分の作った俳句がありきたりの表現だな、と思ったときは
一度、助詞を変えてみることで、新しい表現がないか調べてみましょう


例えば次の句

「夏の日に鈍行列車で家族旅」

この句で使われている、夏の日に~、の「に」は
「いつ」という時を表しているため
いつ(夏の日に)、何で(列車で)、何をした(家族旅行)
という説明的な句になってしまいます

このように前後をつなげる働きのある助詞を使っている時は
助詞の切字を使って、前後を切ってしまうのも手です

夏の日や/鈍行列車で家族旅

「夏の日」で一度大きく切れるため、説明的な感じが薄れるのが分かると思います




また、助詞の「を」を使うことで、「夏の日」という時間を指して
軽く文を切ることもできます

夏の日を/鈍行列車で家族旅



俳句は助詞の一文字だけで、雰囲気が大きく変わります
何か物足りない句だな、と思った時は
助詞を入れ替えるだけでも、句の雰囲気が良くなりますので
いろいろ変えてみて、一番良い助詞を選びましょう