309 俳句はシンプルが一番




俳句を作っても、なかなかうまくできない
人に見てもらうと、「何を言っているのか分からない」
「あなたの句はごちゃごちゃしている」と言われてしまう
そのように悩んでいる人は沢山います

ここでは、あなたの俳句がごちゃごちゃしてしまう原因を解明し
誰が読んでも、分かりやすい句が作れるようなポイントを解説します


■ 俳句がごちゃごちゃしてしまう原因

俳句を始めたばかりの人に多い作り方なのですが
初めのころは、一つの物事を見てもすべてが新鮮で
一句の中に、余りにも沢山のことを詰め込んでしまう人がいます

例えば
朝日が昇って、同時に鳥が舞い上がり、急降下した
というように、いくつもの出来事を一句の中に入れてしまいます
17音の中で、このような事を押し込もうとすると、どうしても無理が出てきます

朝日出て/鳥舞い上がり/急降下

必要最低限の情報を書き出しただけで、17音を使い切ってしまいました
句を見ても、意味の繋がらない単語がバラバラに配置されているだけで
鑑賞する人にしてみれば「これは何が言いたい句なのか?」としか思いません


■ ごちゃごちゃした句の直し方

分かりやすい句にするためのポイントは
「焦点を一つにすること」
つまり、あまり多くの材料を入れず、シンプルに読むことです

上記の
朝日が昇って、同時に鳥が舞い上がり、急降下した
という内容で句を作るのだとしたら、その中の一つの事を詠むと良いでしょう


例えば、朝日が昇ってゆく情景でしたら
朝日が昇る壮大さ、美しさ、おおらかさなど、自分が感動したことをよく考えて
一点集中で詠みます


鳥が舞い上がった情景も同じです


鳥が急降下した情景も同じです


その一つの場面を具体的に詠みましょう



始めの頃は、沢山の場面を一句の中に入れれば
鑑賞者の頭の中に浮かぶ映像も大きく広がり
深い俳句になるだろう、と思ってしまうのですが
結果は反対です
映像が思い浮かぶどころか、この句は何を言いたいのか?と思われてしまうだけです


シンプルに、一つの事物を具体的に詠めば良いのです
そのような句の方が、逆に一句の世界が広がり
鑑賞者の想像が大きく広がります



沢山のことは詠まずに、シンプルに詠む
一番感動した一つのことを詠む
これにつきるでしょう