俳句を作るときには、必ず「季語」を入れるように言われます
一体「季語」とは何なのでしょうか?
俳句を知らない人にとっては、季語という言葉自体にも馴染みがないと思いますので、簡単に説明します
■季語って?
「季語」というのは、春・夏・秋・冬(+新年)の五つの季節を思い浮かべさせる単語をいいます
季節を思い浮かべさせる単語として、有名なものには「桜」があります
「桜」と言えば、多くの人が「春」を思い出しますよね?ですから、桜は春の季語となっています
同じように「雪」と言えば「冬」を思い出しますので、雪は冬の季語になっています
このように、春夏秋冬それぞれの季節を連想させる単語が季語となります
■季語はどうやって探すの?
俳句を作るときに、季語を入れなくてはいけないのですが
では「桜」や「雪」のほかに、一体どのような季語があって、どのように探し出せば良いのでしょうか?
俳句を始めたばかりの人は、少なからずそのような悩みを抱きます
そのような悩みを持った時に便利な本があります
「歳時記」と呼ばれる本です
歳時記は、季語だけを集めた辞書のようなものです
春夏秋冬(+新年)に関わる季語が数千語掲載されていますので
それぞれの時期に合った季語を、簡単に探すことができます
俳句を作る人たちは皆、この歳時記から今の時期に合った季語を選んで、俳句を作ります
■季語は入れなくてはいけないの?
俳句を作る際には、必ず季語を入れた方が良いと言われます
では、なぜ季語は入れた方が良いのでしょうか?
これは、季語のもつ情報量の多さが関係します
例えば、季語である「桜」という言葉を見たときに、日本人は多くの思い出や、風景を連想します
「虫の声」という言葉を見たときに、虫が鳴いている様子や、周りの寂しい風景も思い浮かべます
このように、季語の中には、季語の文字数を遥かに超える情報が含まれているのです
一方で、季語とは関係のない(季節を連想させない)言葉からは、そのような情報は多く感じられません
例えば、「石」「車」「椅子」といった言葉から、日本人が共通して感じる思いはあまり無いと思います
俳句は、たった17文字で何かを言わなければならないため
季語の中に含まれた、日本人に共通する思いや風景などの情報を利用して(鑑賞者に想像させて)
多くの事を伝えようとしているのです
■季語を入れるメリット
季語を入れるメリットはまだあります
「いつ」「どこで」「なにが」という情報を、季語に語らせることで
省略することができるということです
通常、わたしたちが書く文章は
「いつ」「どこで」「なにが」「どうした」
という構成を持っています
これを17文字の俳句の中に詰め込むことは到底不可能です
ですから、季語に「いつ」「どこで」「なにが」という情報を言わせてしまうのです
例えば「川鵜」という季語を俳句で使った場合
川鵜という季語があるだけで
いつ(夏)
どこで(川で)
なにが(鵜が)
という情報を伝えることができますので
後は(川鵜が)「どうした」と言うことだけを俳句にすれば良いのです
「川鵜」が → 「どうした」
17文字で言いたいことを収めるための、最大のメリットと言えるのではないでしょうか
俳句では、季語を入れないで作る人たちもいますが
初めのうちは、季語を入れて作られた方が良いと思います
俳句を作り続けて行く中で、季語が不便だと感じるようでしたら
季語を入れない俳句を作れば良いのだと思います


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