300 説明句(何が・どうして・どうなった)を直す方法




俳句を作っていて、どうしても説明句になってしまう
説明句を直す方法が分からない、という人のために
説明句(ここでは、何が・どうして・どうなった、という形の説明句)の直し方を紹介します


説明句の多くで「何が・どうして・どうなった」という形はよく見かけます
特に、初心者の方によくみられる作り方です

例えば
「秋桜が(何が)・風に流され(どうして)・揺れている(どうなった)」
というように作ってしまいます
これでは、単なる秋桜の報告であって、その風景を見た全ての人が、同じことを言うことができます
俳句(詩)ではまったくありません

このような作り方をしてしまった時の直し方ですが
まずは、バッサリと「どうして」の部分を捨ててしまいます
極論を言うと、俳句では「どうして」は必要ありません
「どうして」という言葉を入れてしまうから説明句になってしまうのです

「どうして」の部分を捨てると、「何が・どうした」だけとなります
つまり「秋桜が揺れていた」だけで十分ということです

これだけでどうするの?
俳句になってないじゃないか?
と思われる方もいると思います
確かにこれでは言葉が足りないので、言葉を追加します
ただ、ここに追加する言葉は「どうして」ではありません

具体的にどう揺れたのか
を追加するのです

ばらばらに揺れている
色を乱して揺れている
横倒しになって揺れている

何でも良いのですが、その時あなたが見て感動したことを具体的に詠みます
そうすれば、説明句ではなくなります

例句
「秋桜色乱しつつ揺れにけり」



 「どうして」を入れたい場合

もし、「風が吹いた(どうして)」を入れたいとします
例えば、その風が人間も立っていられないような強風で
その風に吹き倒されているのを見て感動したというのなら
「風が吹いた(どうして)」を入れなければいけません
その時は「どうして」と「何が・どうなった」を分けた方が良いでしょう

強風(どうして)/コスモスが揺れた(何が・どうなった)

例句
「烈風や/コスモス揺らぎ倒れけり」



上の句は「烈風や」というように。切字の「や」で文章を分けています
例えば、これが
「烈風にコスモス揺らぎ倒れけり」
としてしまうと
助詞の「に」によって、「どうして」と「何が・どうなった」がくっついてしまい
結局は「何が・どうして・どうなった」という形になってしまうので注意しましょう