299 切字を使う時は、旧仮名・文語でなければいけない





俳句を作る際に、「や」「かな」「けり」など切字を使う場合には
俳句を「旧仮名・文語」で表記しなければなりません
なぜ「旧仮名・文語」でなければいけないのか?ですが
これは次の四種類の表記法を、実際に使う場面を考ると、すぐに分かります


表記は下記の四種類があります


新仮名・文語 (普段わたしたちが、手紙やメールで使っている文章表記)
新仮名・口語 (普段わたしたちが、会話の中で使っている言葉)
旧仮名・文語 (昔の人たちが、手紙やメールで使っていた文章表記)
旧仮名・口語 (昔の人たちが、会話の中で使っていた言葉)



の新仮名・文語 (普段わたしたちが、手紙やメールで使っている文章)の中では
「や」「かな」「けり」などは使いませんよね?
私たちが大切な人から手紙を貰ったときに、「や」「かな」「けり」がでてきたら違和感を覚えます
同様に俳句でも、新仮名・文語表記をしているのに、「や」「かな」「けり」がでてきたら、やはり違和感を感じます
ですから、現代のわたしたちが手紙やメールの中で使っている文章表記で俳句を作る場合
「や」「かな」「けり」は使いません


の新仮名・口語 (普段わたしたちが、会話の中で使っている言葉)の中でも
「や」「かな」「けり」などは使いませんよね?
ですので、会話をしているような表現で俳句を作る場合にも
「や」「かな」「けり」は使いません


の旧仮名・文語 (昔の人たちが、手紙で使っていた文章表記)の中では
「や」「かな」「けり」などが、助詞として使われていました
ですから、昔の人たちが、手紙で使っていた文章表記で俳句を作る場合には
当然「や」「かな」「けり」を使うことになります


の旧仮名・口語 (昔の人たちが、会話の中で使っていた言葉)の中では
「や」「かな」「けり」などが使われることはありませんでした
ですから、昔のひとが会話をしているような表現で俳句を作る場合は
「や」「かな」「けり」は使いません


つまり「や」「かな」「けり」など切字を使う場合は
必然的に、昔の人たちが、手紙で使っていた文章表記「旧仮名・文語」で
俳句を作らなければ駄目だということです


句会の中で、たまに新仮名の俳句で、「や」「かな」「けり」を使う人もいますが
これは、まれなケースです。もしかすると、何も知らずに使っている可能性もあります。
「や」「かな」「けり」を使う場合は、「旧仮名・文語」でなければいけないことを覚えておきましょう