274 「てをには」を変えると説明句が直る?




俳句を作っているのだけれど、どうしても説明句になってしまう
説明句を直す方法が分からない、という人のために
ここでは、「てをには」を変えることで説明句を直す方法を紹介します


説明的な句の中には、「てをには」の使い方が悪い場合が多く見られます
このような場合は「てをには」を交換するだけで
説明的な表現が解消されることがあります


俳句を読みながら見ていきましょう
例えば次の句
「家の灯の消えれ増さる星月夜」

これでは、家の灯が消えたことが原因で、星が増えている
という説明になってしまいます


では、上記の句の「は」を「に」に変えてみましょう
「家の灯の消えるに増さる星月夜」
家の灯が一つ一つ消えてゆくのに伴って星が増えていく、というように
光の変化の時系列が映像化できます


では、上記の句の「は」の部分を、「て」「を」「に」「は」に変えてみて
それぞれの句を比較してみましょう

「家の灯の消えゐて増さる星月夜」(て)
「家の灯の消えるを増さる星月夜」(を)
「家の灯の消えるに増さる星月夜」(に)
「家の灯の消えれば増さる星月夜」(は)

「てをには」を変えただけで、ガラッと句の印象は変わりますよね?


俳句では極力「てをには」を使わないようにしましょう、とよく言われるのですが
これは「てをには」を使うと、説明的な句になりやすいからです
しかしながら、その「てをには」を置き換えるだけで
説明的な句が解消され、句の印象ががらっと良くなることもあります

説明句を簡単に直せる方法ですので、ぜひ試してみてください