217 「桜」の季語と季節について


桜に関する季語をまとめています


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「桜」は春と冬に季語を持ちます
通常、桜と言えば春の季語で、冬の桜は「冬桜」と呼びます

それと、桜の季語の中には「桜蘂降る(さくらしべふる)」や「花筏(はないかだ)」といった聞きなれない子季語などがあります
初心者には理解しづらい子季語が沢山あるため、それぞれの季語と意味をまとめました
意味を理解して使い分けられるようになると、俳句の幅も広がるはずです







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■春の桜






桜(さくら)
桜は花の中の花
古来より詩歌に歌われ、日本人に愛されてきた花である
もともとは、山野に自生する野生種であったが、江戸末期から明治にかけて、栽培種である染井吉野が誕生し、現在では、桜といえば染井吉野をさす




花(はな)
通常、俳句で「花」といえば桜を指す




若桜(わかざくら)
生えてからまだ年数の経っていない木の桜
若木の桜



姥桜(うばざくら)
葉が出るより先に花が開く桜の通称
ヒガンザクラ・ウバヒガンなど



千本桜(せんぼんざくら)
吉野山(奈良県)の花盛りを称える表現
転じて、桜の木が沢山植えられている名所および、その花盛りのさまを指す
形容表現などとして一目千本桜などと称されることもある
日本の各地に「千本桜」と称する名所が存在している



庭桜(にわざくら)
ニワウメの変種
葉が細長く、上面にしわがある。花は白色で八重咲き




一重桜(ひとえざくら)
花が単弁の桜




御所桜(ごしょざくら)
サクラの一品種。八重の大形の花が五輪ずつ群がって咲く




楊貴妃桜(ようきひざくら)
サトザクラの一品種。花は八重で4月ころ咲き、花びらは淡紅色であるが先端は濃紅色。奈良興福寺の僧玄宗がめでたことからの名という




左近の桜(さこんのさくら)
紫宸殿(ししんでん)の階段の下、東方に植えられている桜




深山桜(みやまのさくら)
深山に生え、5月ごろ、若葉が出てから白い5弁花を総状につける
葉は長円形で先がとがる
しろざくら




里桜(さとざくら)
オオシマザクラに由来する桜の園芸品種の総称。八重咲きで、花の色が白・黄・紅色など多くの品種がある




南殿(なんでん)
サトザクラの一品種
葉の裏面に毛が密にある。花は八重または半八重で淡紅色



大島桜(おおしまざくら)
日本の固有種で、日本に10種あるサクラ属基本野生種のうちの一つ
花は大輪、一重咲きで白色。開花期は3月下旬。伊豆七島や房総半島などに自生する潮風に強い桜




上溝桜(うわみずざくら)
ヨーロッパ北部とアジア北部に自生するサクラの一種
古代の亀卜(亀甲占い)で溝を彫った板(波波迦)に使われた事に由来する




染井吉野(そめいよしの)
日本固有種のオオシマザクラの雑種の交配で生まれた日本産の園芸品種のサクラ




桜月夜(さくらづきよ)
桜の咲いている月夜




桜の園(さくらのその)
桜の咲いている庭




桜山(さくらやま)
桜の咲いている山




山桜(やまざくら)
日本に自生するサクラの野性種
バラ科サクラ属の落葉高木



初桜(はつざくら)
その年に初めて咲いた桜の花
咲いて間もない桜の花




嶺桜(みねざくら)
バラ科の落葉小高木。本州中部以北の高山に自生
サクラの仲間では最も高いところに生育する桜の野生種。
樹木としてはあまり大きく育たず、高くても5~10m程にしかなりません。
赤褐色の葉が開くのと同時に淡紅紫色の花をつけます




犬桜(いぬざくら)
樹皮は暗灰色でつやがあり、春、白い小花を密につけるが、見劣りするのでこの名がある
実は黄赤色から黒紫色に変わる




吉野桜(よしのざくら)
吉野山に咲くヤマザクラ
ソメイヨシノの別名




遅桜(おそざくら) 晩春
花時に遅れて咲く桜のこと
重桜も遅く咲くが八重桜とは限らない
遅咲きの桜すべてをさす
行春を惜しむ思いが重なる




吉原の夜桜(よしわらのよざくら)
遊郭吉原の夜桜見物のこと
その日のためにわざわざ見ごろとなる桜を植え終われば抜いて、明年新に植えるという手の込んだものであったいう。




桜蘂降る(さくらしべふる)
花が散り終わったあと、こまやかな桜の蘂が降ることをいう
花蘂が降るころのひそやかさは、花の頃とは別の趣がある





八重桜(やえざくら)、牡丹桜(ぼたんざくら)
八重咲きの桜
花期は遅く、四月末から五月上旬にかけて開花する
ぼってりとした花房はほかの桜とは異なった艶やかさをもつ
開きかかった花びらを摘んで桜漬にする
花の姿が牡丹と似ていることから牡丹桜とも呼ばれる





枝垂桜(しだれざくら)、糸桜(いとざくら)、しだり桜(しだりざくら)、紅枝垂(べにしだれ)
自生はなく観賞用園芸種で
エドヒガンの一変種である。薄紅色 の花を
細くて垂れ下った枝につける。樹齢は長い。
枝垂れ形の中で花色が特に濃いものを紅枝垂と呼ぶ




彼岸桜(ひがんざくら)、枝垂彼岸(しだれひがん)、江戸彼岸(えどひがん)、姥彼岸(うばひがん)
春の彼岸の頃咲くのでこの名がある
花はソメイヨシノにくらべると、白っぽくややこぶりでパラパラとした感じに咲く




桜人(さくらびと)、花人(はなびと)、花見人(はなみびと)
花見をする人をさす
桜を待つ人
桜を愛でる人
桜を尋ねる人




桜狩(さくらがり)、桜見(さくらみ)、観桜(かんおう)
花に誘われて、野や山に桜を訪ね歩いて愛でること
花見のことではあるが、より花を求めて逍遥するおもむき
豪華な花見弁当よりも素朴な飯が、筵を広げるよりも山路を行く杖が似合いそうである





夜桜(よざくら)
夜の桜花
また夜の桜花見物のことをいう
桜の木の周囲に雪洞や燈籠をともしたり篝火を焚いたりする
闇の中に浮かび上がる桜は昼間とは異なる妖艶さを秘めている




桜まじ(さくらまじ)
桜の花の咲く頃に南から吹いてくる暖かい風のこと
まじは偏南風の地方の呼び名で、瀬戸内海、広島県あたりで多く使われる




桜衣(さくらごろも)、桜がさね(さくらがさね)
襲の色目一つ桜襲の衣をいう
表が白裏が赤で春の衣とされる




花筏(はないかだ)
水面に散った桜の花びらが、いかだのように流れているもの








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■夏の桜




葉桜(はざくら)、桜若葉(さくらわかば)
花が散って若葉となったころの桜をいう
花が散って葉桜になってしまったという惜しむ思いと、桜若葉の美しさを愛でる思いが交錯する季語である



花は葉に(はなははに)
葉桜を眺めながらも散り果てた花を忍ぶ思いがある




氷室の桜(ひむろのさくら)、氷室の花(ひむろのはな)
氷室のある辺りで夏になって咲く桜をいう
また春咲いた花を氷室に入れて保存しておくことという解釈もある





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■冬の桜





冬桜(ふゆざくら)
冬に咲く桜のこと



寒緋桜(かんひざくら)、緋寒桜(ひかんざくら)
バラ科サクラ属の植物
サクラの原種の一つ
旧暦の正月あたりに咲くことからガンジツザクラ(元日桜)と呼ばれる



緋桜(ひざくら)
寒緋桜の別称




元日桜(がんじつざくら)
寒緋桜の別称




冬木の桜(ふゆきのさくら)、枯桜(かれざくら)
冬枯の桜をいう
色とりどりに美しい桜紅葉が散り尽くしたのち、桜は枯れ姿になる
華やかな花時をおもかげに、枯れた姿にも趣が感じられる
返り花や冬桜と混同しないようにしたい










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