059 別の意味にとられないように注意


句会などで俳句を提出すると、自分の作った意味と別の意味で取られてしまうことがよくあります
最初は「何で私の言っていることが分からないの」とやきもきしてしまいますが
大抵は自分の作り方に問題があります

別の意味で取られてしまう原因として多いのが
五・七・五を、名詞・動詞・名詞の配置にしてしまうことです
そのような配置になっていると、動詞が前の名詞にも、後ろの名詞にも付いて読まれてしまいます

夏の蝶ひらひら揺れる風の中



この句は、名詞・動詞・名詞の配置となっています

夏の蝶(名詞)流れ揺らぎし(動詞)風の中(名詞)

これだと
「夏の蝶が流れ揺らいでいるなぁ、この風の中を」
とも読めますし
「夏の蝶がいるなぁ、この流れ揺らいでいる風の中に」
とも読めてしまいます




句を作った後は必ず
「この句は別な意味にとられないだろうか」
と心の中で唱えながら確認するのことが大切です

良い句は、人によって色々な想像を喚起させると言われます
これは「色々な想像を喚起」させるのであって「色々な意味にとられる」ということではありません

句の意味は、このようにしか解釈できない、という不動のものにしましょう